smellman's Broken Diary

クソみたいなもんです

オープンソースと地域振興

沢田@名古屋さんと一緒にタクシーで島根大学へ。会場に入ったらOSC2009大分で会った方々がいらっしゃいました。イベントが始まるまで雑談。
さて、適当にメモ。たぶん、ITProの高橋さんがさくっとまとめ記事を書いてくれるでしょうwww

基調報告「自治体におけるオープンソース導入」

広島修道大学の脇谷さんの講演。
なぜOSSか。

  • 情報システムに掛かるコストの低減させる解決策
  • 特定の企業に縛られない調達が可能
    • 対ベンダ・ロックオン
  • ソフトウェア産業地産地消(利用)
    • うまく行けば産業振興につながる
  • 国際的な標準への対応が可能

政府の調達基準で、中立的なものを選ぶ事がガイドラインに盛り込まれた。
自治体にとってのOSSは?

  • 産業振興にICTを活用する観点
  • 自治体がユーザとなってOSSを活用する
    • 電子自治体
    • 大館市の例

自治体の採用は進んでいる。

  • 事例はいっぱいある
    • ITPro読め
  • 大館市の事例
    • ほかの自治体が自分達でもできるんじゃないかという勇気を与えた
  • しかし、どの自治体でも進んでいるわけではない
    • まだ一部
    • 気づかずに入れてるケースもある

自治体を対象にしたIPAの調査が公開されている。
地方自治体のOSSの認知度は?

  • オープンソースという言葉を知っていて、内容を理解している6x%(数字忘れた)
  • オープンソースという言葉は知っているが、内容は理解していない3x%(数字忘れた)
    • 言葉は知ってるという人は98%!!!

オープンな標準についてどう見ているか?

  • 意識は高まっている。
  • メリット:特定の製品への依存からの脱却
  • メリット:参入機会
  • デメリット:調達仕様書を作成するスキルがない

人口規模別で分析すると人口規模が大きいほどオープン化などの関心が高い。
中国地方では...調査不足(笑
学生の疑問。

なんでメーカーのパソコンを買うの?自作すればいいじゃん。
自作に成功するとそう考えだすらしい。
店員に薦められてパソコンを買ったらOSをアップグレードできなくてはじめてスペックが関係するのを知った。みんなスペックの事を知って買うものなの?
買ってから後悔したりするのは昔から皆が進んでた道ですよ〜

試すことの勇気が大切!

パネルディスカッション

  • 司会
    • 脇谷直子さん@広島
  • パネリスト
    • み。さん@びぎねっと
    • 高橋信頼さん@日経ITPro
    • 中村芳樹さん@秋田県大館市
    • 田中哲也さん@松江市

パネリストの自己紹介を兼ねてオープンソースについて。

  • 高橋さん
    • 10年以上オープンソースを追いかけている。
    • Javaまでオープンソースになった。
    • 自治体での導入が進んでいる。
    • ソフトウェアのイノベーションはOSSが中心に。
    • 課題としては既存のロックインされたソフトからのリプレイスが難しい。
  • み。さん:
    • 仮想化を中心として仕事をしている。
    • コスト削減からオープンソースを選ぶ人が多くなってきている。抵抗感が少なくなっている。
    • 提供側、受領側が理解できていないために商用ソフトを選ぶ事がある。
    • オープンソースは素材、商用ソフトは外食みたいなもの。料理して上手いものができる。
  • 中村さん
    • オープンソースであれば、試す事ができる。
    • 大館市では元々外線を使った通話だったので、アナログ回線からデジタルにしようとした。
    • その時に最初Astriskをベンダーにお願いしたら、親会社からの問題でダメと言われた。
    • いろいろ問題があって、一から作り初めた。
    • レイヤー1からレイヤー8(課長とか)までまきこんだ。
  • 田中さん
    • 産業振興を担当、雇用や市場を行政から関わっている。
    • 企業立地を通して使用者と業者を繋げて雇用を生む。
    • Rubyを通して三年間でソフト産業9社、248人という企業立地を生んだ(製造業、その他よりも多い)。

コストの話で、大館市の中村さんに話を聞く。

  • 故障が多かったのでそれに対応するマニュアルと緊急時のマニュアルを規定した。
  • 職業訓練短期大学と共同で勉強会をやっている。
  • 運用は中村さんがメインだが、マニュアルで依存をしていない。

それに対してベンダーはどうか、み。さんに聞く。

  • 日本国内で仮想化をやっているところがほとんど無い。
  • 技術に特化するベンダーは少ない。
  • 中村さんの立場なら自分で会社作るよ!スピンアウトするよ!
    • 横展開できるじゃん!
  • 技術的なものを特化した成功したモデルというのが日本にはほとんど無い。
  • 少ないサポートが出きる人を掘りだしている状態。
    • 少しのできる人と大勢の普通の人という感じ。

リソースは都市部に集中しているのではというところで高橋さんに聞く。

  • 屋久島の例
    • NetCommonsを導入した。
    • ベンダーに頼んだら数千万かかる。
    • 島にたまたまできる人がいた。
      • 島に移住してきた中学教師の方の奥さん
  • 広く人材を探す。
  • 今のITはパソコンで動いている。
    • パソコンがサーバになる。
    • いろんなものが試せる。
  • 大館市の中村さんはどう勉強したのか?と聞いたら全部独学だった。
  • オープンソースにはコミュニティがある。
    • 相談できる場がある。

み。さんから意見が。

  • オープンソースを活用しているところがもうけているという現実がある。
  • SaaSが中心となる世界が来る。
  • それに対応した技術を持てるようにならなければならない。

田中さんから。

  • 実績を作らないといけない。
  • 町作りをしているという意識。
    • 工場なんかの誘致では人が主役ではない。
  • 人が主役の産業振興をしたい。

み。さんから。

  • Matzさんは堀川巡りをしながら野良電波を拾ってプログラミングをしてるらしい。
    • 北海道で羊みながらコーディングとかしたいね。
  • エンジニアはピラミッドなんだけど、トップの人は別にもうけているわけではない。

中村さんにオープンソースが他に活用できそうなものは?と質問。

  • 電子政府関係
  • 一つのオープン規格があればみんなが使える。
    • 自治体が中心となって規格を作って、それを他の自治体にも使ってもらえるようなものはどうか?
  • Astriskの例
    • ベンダーが揃ってきている。
    • 自治体からベンダーを呼びよせた例を作れた。

ソフトウェアがサポートされなくなったらどうなるか?中村さんに聞く。

  • Astriskは本家が機械を売って利益を出している。
  • 潰れる可能性はあるが、コミュニティが維持していく事も可能では。

田中さんから。

  • 調達の段階ではRubyを考えていなかった。
    • Railsで開発して、帳票などの足りない機能はJRubyを活用するという事例を作った。
  • 松江市の自治体のシステムも段々Rubyを取りいれている。

オープンソースによる調達について、高橋さん。

  • 長崎県の例
    • メインフレームオープンソースに置き換えた。
    • 2003年15%が地元に発注だったのに2007年には6x%が地元に発注。
    • 発注の単位を小さくする事で地元の参入を進めた。
    • 単位を小さくすると仕様がはっきりしていないといけないが、それはどう解決したか?
      • 失敗してもいい単位をする事で、職員が仕様で失敗してもそれが経験になって段々質を上げていった。
        • 人材育成重要。

地域振興について重要な事を一人づつ。

  • み。さん
    • 教育
    • 学生が参加しててうれしかった。
    • 事例を作ったという事よりも事例を成功させたという過程/人が重要。
    • U-turnで戻ってきて地元で活躍できるような人がでてくると良い。
      • 都会でもまれてからでもいいじゃない。
  • 高橋さん
    • オープンソースは当たり前のもの。
    • 各地でオープンソースの取り組みをしている。構築、導入含め。
    • OpenOffice.orgで情報公開をした例がある。
    • 自分たちのニーズに合わせて情報を発信していく必要がある。
    • ライセンスだけではコスト削減にはあまりならないが、必要な部分を考える事ができるようになって結果としてコスト削減に繋がる触媒にオープンソースはなる。
  • 中村さん
    • 試してみて、必要無い機能や、営業時間以外はシステムは止まってもいいとかそういう事をオープンソースから学んだ。
    • 99.999%のとかは関係なく、必要な部分だけとってくればよい。
    • 情報を公開する事で、新しい需要を生みだせる。
  • 田中さん
    • 松江市で企業をすると8年間家賃タダになる。
    • 感動をあたえる情報がある。
    • 魅力的な情報を発信すると、良い反応が返ってきて科学反応が起きる。
    • 行政は黒子。

質問タイム。

  • 人々に使ってもらう必要があるが、その障害となる部分をどう解消するか?
    • み。さん:一つはコスト削減、もう一つは相手は世界というセグメント。地元どうこうっていうのはある程度考えなくても良くってグローバルな会社を松江にあったっていい。元に貢献という点ではOpenOffice.orgを教えるとか地道なものを進めていけばよい。
    • 高橋さん。オープンソースは目的ではなく手段。例えばOpenPNEを使った非モテSNSとかアイデアを実現する手段。
    • 中村さん:気づかずに使うのがポイント。いかにわからないように使ってもらって、Astriskだからダメだったとかそういうことにならないようにする
    • 田中さん:産業振興は県外から稼ぐ必要がある。そういう視点が必要。
  • 学生へ。
    • み。さん:地元に仕事がなくてびぎねっとに来たあっきーの話。手に職っていうものよりは、ツールそのものの専門っていう時代はもう終っていて、ソリューションよりの話ができるようになってもらいたい。
    • 高橋さん:MTのSixapartの日本人(宮川さん)の話。いままでオープンソースのソフトを掲載したメールを社長に送ったら自分の会社に来てくれと言われた。オープンソースの実績は履歴書になる。
    • 中村さん:やってる仕事を胸をはって言えるような環境を作る必要がある。周りから見てもらえる環境作りが必要。
    • 田中さん:オープンソースを選択する事で発想が柔軟になるのではないか。
    • 脇谷さん:先生という立場から。一人はいろんなものを使って良いものを伝える学生がいた。もう一人はやりたい事の希望を持っているが、地元でも他でも無いという学生がいる(現在も就活中)。

とりあえずこんな感じでした。
個人的にはかなり有意義な話が聞けてうれしかった。いろんな事例とか、オープンソースは試せるというとことか、現場の声をいろいろ話してもらって、学生にはすごくためになったんじゃないかと思う。
さて、途中でいきなり電波ジャックが発生して、「乾杯〜」とか声がスピーカーから聞こえてきて笑った。たぶん下の階あたりで飲み会をやっていたのだろう。大学らしいハプニングでした。

タクシー

松江駅に向う人が多かったのでタクシーをチャーターしたんですが、一緒に乗った面子が濃かった。沢田@名古屋さん、Linux好き事務員こと菅さん、MySQLの...あれ名前が思いだせない(汗)。twitterで書いたけど、俺を含めてこの面子だけでちっちゃなOSCができそうな勢いの人達だった。